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No.4:「EDINET(有価証券報告書)を使ってみよう」

機械工業図書館 資料ガイド (2008年4月)

当図書館の資料を利用して企業情報を調べる際、従来利用されてきたのが四季報、会社年鑑、有価証券報告書などです。

最近では、ホームページを立ち上げ、そこで詳しく自社の状況を紹介している企業が増えました。
そこには財務状況や、業績など、充実した企業情報を掲載していたり、なかには簡略な社史といってもいい内容の沿革を記載している企業もあります。
ホームページは企業を知るには非常に簡単で便利なものですが、情報量や情報の質といったものが企業によってばらつきが見られるところが難点といえるでしょう。

その点、前述の資料は情報の項目を統一してありますので、複数の企業の情報を同時に必要とする際にはより適しています。
また、企業側の事情でホームページが閉鎖されたり、情報が削除されることが多々あり、ホームページは安定性に欠けるという短所を持っています。

特に有価証券報告書は、これぞ企業情報という感じで、事業内容、従業員の状況、財務状況、その他多くの情報がつまっています。
かつては冊子で発行されており、一括して揃えるのはなかなかむずかしい資料でした。
現在では、金融庁のホームページ上でEDINET(Electronic Disclosure for Investors' NETwork)を利用して、有価証券報告書を閲覧することができます。
インターネット環境にあればどなたでも無料で利用することができます。

2008年3月17日より、EDINETはXBRLを導入し、一新されました。XBRLはビジネス情報を電子化する言語です。
使い方は基本的には同じですが、表現が多少変わったりしているのと、見かけが大きく変わっています。使い勝手はEDINETがスタートした当初に比べ格段によくなっています。

有価証券報告書閲覧サイト「EDINET」とは

2006年4月より各財務局に提出される報告書は原則として電子提出が義務づけられ、紙面による提出はなくなりました。

冊子で発行されていた時代には、1,2部上場企業、3部(地方)、4部(外国)、5部(店頭登録)と分類されていましたが、EDINETでは内国法人・組合、外国法人・組合、外国政府、、個人(組合発行者を除く)、個人(非居住者)(組合発行者を除く)、内国法人・組合(有価証券報告書等の提出義務者以外)外国法人・組合(有価証券報告書等の提出義務者以外)の区別がされています。
したがって有価証券報告書は冊子体の時代には上場企業のみ発行されていましたが、EDINETでは上場していなくても提示された条件に合う企業は提出の義務があり、その情報は公開されています。

さてそれではEDINETを使ってみましょう。 

http://info.edinet-fsa.go.jp/

トップページに操作ガイドの項目があり、基本的な操作についての説明がされています。

検索画面を開いてみると、3月17日以前のものとはガラリと変わって、コンパクトにまとまり、図書館などのオンライン検索画面と似た感じになっています。
基本的に空欄に言葉を入力すればよいのです。

「EDINET」での検索方法

現在、検索方法は以下の5通りあります。

(1)提出者検索
提出者(利用者が調べたい企業)から検索することができます。
EDINETコードを入力するか、提出者名、提出者名称(ヨミ)、提出者業種別、提出者種別のどれか一つを選択して検索することができます。
ただし、種別検索だけを条件とした場合、検出される件数が多すぎて、検索を途中で打ち切られ、検索条件を変更することを求められます。
提出者名からの検索については後で詳しく述べたいと思います。
業種別は大分類、中分類、小分類に分かれています。

(2)ファンド番号
ファンド番号、ファンド名称、ファンド名称(ヨミ)、発行者名称、発行者名称(ヨミ)、特定有価証券区分のいずれかを入力する。

(3)提出書類検索
提出者種別や書類種別などから検索する。

(4)全文検索
キーワードを指定して、全ての書類から指定されたキーワードを含む有価証券報告書等の書
類を検索します。

(5)発行者検索
発行者EDINETコードや発行者名称などから、大量保有報告書、公開買付届出書、対質問回答報告書等を検索することができます。

企業名から有価証券報告書を探してみましょう

特定の企業情報を探す場合、多くの方が企業名から探されると思います。
その場合、EDINETでは「提出者検索」で検索します。

<検索の手順>
i.まず、提出者のところに探している企業名を入力します。前方後方検索の□にチェックをいれます。
ii.その企業が報告書提出義務があることがはっきりしている企業ならば種別のところに、チェックを入れます。
iii.これだけでも検索は可能ですが、基本的な企業情報を知るために必要なものは有価証券報告書なので、他の余分な書類が検索されないように、書類種別の欄で有価証券報告書を選択します。

<探したい企業の有価証券報告書がみつからない場合>
上記の手順で検索を行っても、求める企業名が該当なしになるケースが生じます。そのような場合、以下のような理由が考えられます。

~チェックポイントと対処法~
検索語の位置
例).「東芝」と入力したところ、「東芝セラミックス株式会社」「東芝ソリューション株式会社」「東芝テック株式会社」「東芝プラント株式会社」「東芝機械株式会社」等は検索されたが、「株式会社東芝」が検索されない。
→「株式会社東芝」と登録されているため、「東芝」とのみ入力したのでは検索されない。前方後方検索の欄にチェックをいれておけば、東芝がどの位置にあっても検索される。

これはいわゆる、「前株」(株式会社○○)か「後株」(○○株式会社)かという問題です。

対処法としては、提出者検索の際に「前方後方検索」の□に必ずチェックをすることが大事なポイントです。
提出者名はフルネームではなく、一部分入力することでも検索可能ですが、その際にも前方後方検索を選択することを忘れないでください。入力した部分が企業名のどの位置にあっても検索することができます。

探している企業が2001年以前に消滅した企業である場合

例)三洋証券株式会社の有価証券報告書を探そうと、三洋証券と入力しても該当するものがない。
→三洋証券株式会社は1997年に破綻している。そのためEDINETに報告書が提出されていない。

EDINETでは運用開始以前に提出された報告書は公開されておらず、そのため2001年以前の記録は閲覧することができません。
また2002年度以降であっても電子化ファイルの提出が義務づけられる2004年以前の報告書については、当該企業が電子ファイルでの提出を行っていなければ、公開できないということになります。
したがって2001年以前に消滅した企業については閲覧は不可能となります。

入力した企業名が正式なものでなかった場合

例)NECの有価証券報告書を閲覧するために、NECと入力したがNEC○○といった関連会社と思われる企業名しかでてこない。
→NECの正式名称は「株式会社日本電気」であるため、(株式会社)日本電気と入力しなければ探すことはできない。
※()内は前方後方検索にしておけば、なくても可

提出者名を入力して検索する場合、定款等に記載された正式名称が求められ、略称・通称では検索結果がでません。
「NEC」などは正式名称の日本電気よりも一般的に使用されており、耳になじんでいるため、間違えやすいと思います。
同様な企業に「NTT」、正式名称「日本電信電話株式会社」があります。
このような場合、各企業のホームページなどで正式名称を確認する必要があります。

例)NTTドコモと入力したが、該当するデータが存在しないと云う結果がでた。
→ 正式名称が株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモであるため。

この場合入力の際に考慮しなければならないことがいくつかあります。
・株式会社と頭にいれること(前方後方検索にしておけばなくても可)
・すべてカタカナで標記することと
・単語の間に・をいれること

すべてカタカナにしても、・を入れないと該当なしということになります。
面倒なうえに間違えやすいですから、このような場合、前方後方検索にチェックして、"エヌ"とか"ティ"という最小限の単語だけを入力しましょう。
例えば"エヌ"と入力すれば、この言葉を含む企業が候補として列記されます。ある程度の件数がでてきますが、全部に目を通せない数ではありません。
その中からめざす企業を選べばよいのです。また正式名称が片仮名なのかアルファベットなのかわからない場合はヨミで検索することを選択し、前述の手順をふめば、どちらの場合でも検索することができます。

正式名称がわからない場合、逆に確実にわかっている名称の一部だけを入力し、前方後方検索機能にチェックして検索するほうが得策です。

例)「三菱東京UFJ銀行」の場合
→旧企業名を3社含んでおり、順番を間違えやすいこともあるので、「東京」、「三菱」、「UFJ」、のどれかの単語を入力して検索する。(下段に例)   
※このとき、必ず前方後方検索の□欄にチェックをいれる。

「三菱東京UFJ銀行」の場合の検索語と検索結果(入力して「三菱東京UFJ銀行」が検索できるものは○)

東京三菱UFJ ×
三菱UFJ ×
東京UFJ
三菱
東京
UFJ
三菱東京
東京三菱 ×
三菱銀行 ×
東京銀行 ×
UFJ銀行

極端な入力例では、「銀行」とだけ入力しても三菱東京UFJ銀行もリストアップされます。ただし百数十件でてくるので、検索の効率としてはよくありません。

探している企業が合併を行っていた場合

例)光洋精工株式会社の有価証券報告書を探したがみつからない。
→光洋精工株式会社は2006年に豊田工機株式会社と合併して株式会社ジェイテクトとなったため。
豊田工機が被合併株式会社であるため、同社の名前で検索すると、合併以前の同社の報告書は探すことができる。

企業が合併した場合、新しい社名の報告書となります。ただし、合併以前の報告書については下記のように取り扱われています。

・存続会社の旧報告書については、新社名のもとに入る
・被合併会社の旧報告書はEDINET収録期間内のものであれば、旧社名で検索できる。

なお合併以前の報告書は、EDINET運用開始後の収録分のみ閲覧できます。

存続会社の旧社名で検索を行った場合、新社名の報告書に旧社名の注記などがないは探し出すことができません。
合併等の有無を調べ、もしその事実があれば、新しい社名を調べる必要があります。 

例)「ジェイテクト(旧・豊田工機株式会社)」の場合の検索語と検索結果(合併以前の報告書が検索できたものに○)

豊田工機株式会社
光洋精工株式会社 ×

また光洋精工株式会社は存続会社であるため、「ジェイテクト」で検索すると、合併以前の報告書が検索されます。

社名変更した企業の場合

旧社名を併記している企業は別として、旧社名からの社名検索は不可能。

インターネットや「企業名変遷要覧」(発行:日外アソシエーツ、機械工業図書館所蔵([D.-.1.-]))、会社四季報などを利用して旧社名を調べる必要があります。

報告義務のない会社

日本生命、第一生命など6つの保険会社は相互会社であるため、有価証券報告書の提出義務から除外されている。

ただ、報告書以外の書類が閲覧できる場合があります。

例えば「日本生命相互会社」を検索した場合、「日本生命」で検索すると、大量保有報告書や訂正報告書などが多数検索されます。
また、種別のところで「内国法人・組合(有価証券報告書等の提出義務者以外)」を選択して、書類種別の有価証券報告書をチェックをして検索すると、提出義務がなくても有価証券報告書を提出している企業の報告書を探すことができます。


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