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調査研究報告書 詳細

日本の機械産業2040―超高齢社会とシンギュラリティは脅威なのか―

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報告書No. H30-1
発行年月 : 平成31年3月



【目次】

序 章 第四次産業革命の到来

第1章 超高齢社会の憂鬱と期待
    
第2章 シンギュラリティの脅威

第3章 モビリティ社会へのシフト

第4章 シェアリングエコノミーのビジネスモデル

第5章 2040年の機械産業

【概要】

 本レポートは、2040年に向けて日本の機械産業に対して大きな影響を与えるファクター、すなわち、①超高齢社会、②シンギュラリティ、③モビリティ社会、④シェアリングエコノミー、4つの視点から予見的整理を行ったものである。特に本レポートでは日本の超高齢社会の進行とAI(人工知能)の進化に象徴されるシンギュラリティが日本の機械産業に与える影響について各種データや参考文献に基づいて考察している。
 まず、序章では、第四次産業革命の到来について、第4次産業革命と機械産業の関係についてドイツのIndustries4.0に触れながら日本でも進む第四次産業革命への取り組みとしてConnected Industriesについて概説している。次に、第1章の超高齢社会の憂鬱と期待では、超高齢社会と新産業の創出の例として介護ロボット市場やスマート農業の普及状況などについて触れている。第2章のシンギュラリティの脅威の前半では、人工知能(AI)やロボットの進化と機械産業について、AIやロボットに代替される職業に関する調査結果を紹介した上で、日本のメカトロニクス技術発展の経緯とその可能性について言及した。
 後半ではシンギュラリティの意味とAI研究の歴史、AIの有効活用と民主主義との関係を指摘している。第3章のモビリティ社会へのシフトでは、今後、クルマ社会からモビリティ社会へシフトすることで、既存の自動車関連産業が大きな危機感を持っていること、多様化するモビリティ・サービスや自動運転の進化の方向性について言及している。第4章のシェアリングエコノミーのビジネスモデルでは、まずシェアリングエコノミーの意味を明確にして上で、日本におけるシェアリングエコノミーの動向及びシェアリングサービス(シェアリングシティ)による地域活性化の事例を紹介している。最終章となる第5章の2040年の機械産業では、これまでの検討結果を踏まえて、機械産業を取り巻くエコシステムの今後の変化について、特にサプライヤーシステムの変化に注目した上で2040年に向けて日本の機械産業が持続的に発展するための提言として5つの提言を行っている。