ホーム > 経済研究所 > 調査研究報告書 > 調査研究報告書 年度一覧 > 調査研究報告書 年度別一覧 > 調査研究報告書 詳細

調査研究報告書 詳細

RT及びICTを活用したヘルスケア産業の成長課題―介護ロボットの導入状況と現場ニーズに関する調査に基づいて―

20190710104052-0001.jpg

報告書No. H30-4
発行年月 : 平成31年3月



【目次】

序 章 

第1章 介護ロボット開発の背景と普及阻害要因
    
第2章 介護ロボットの導入状況と現場ニーズの分析

第3章 介護ロボットを含むヘルスケア産業の成長条件に関する多角的検討

第4章 介護ロボットを含むヘルスケア産業の成長課題

資料編 

【概要】

 近年、わが国では超高齢社会の進行により、医療機器を含むヘルスヘア産業への期待が高まっている。しかしながら、当該産業に関わるサービスの現場では、高い離職率や労働力不足が深刻化している。そこで、本報告書では、機械振興協会経済研究所がこれまで取り組んできた医療機器、健康・福祉機器産業の関する調査研究及び超高齢社会における機械情報産業の発展戦略に関する調査研究等の成果を踏まえながら、RT(ロボット技術)及びICT(情報通信技術)を活用したヘルスケア産業の成長課題に検討を行っている。具体的には、特に介護ロボットに対するニーズ調査及び介護・福祉関連の事例調査を軸に検討し、当該産業の成長課題を析出した上で、ヘルスケア産業の成長条件を提示している。
 本調査研究に方法については、第一に、既存の統計及び調査レポート等に基づいて、介護ロボットの種類と市場予測などを整理している。第二に、国内の養護老人ホーム等の施設を対象にしたアンケート調査に基づいて、介護施設の現場で求められている「介護ロボット」のニーズについて統計分析及び内容分析を実施している。第三に、RT及びICTを活用した介護・福祉関連機器の開発事例及び介護サービス事業者を対象にしたヒアリング調査などを実施し普及戦略について考察している。
 以上に基づいて、本報告書の最終章では、介護ロボットを含むヘルスケア産業の成長課題には2つの大きな壁があることを指摘している。すなわち、第一の壁とは、介護ロボット普及の外部環境要因として指摘された経済的要因、技術的要因、情報的要因、リテラシー的要因、制度的要因及び人材的要因といった普及阻害要因群であり、第二の壁とは、介護サービス事業者自身の内部環境、特にビジネスモデルの問題である。そして、本報告書の結びにおいて、これらの壁を乗り越えるための方法を析出する上で必要な調査研究について、次年度の調査研究の方向性との関係から仮説的な提案を行っている。