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調査研究報告書 詳細

エネルギー政策研究会 研究活動概要

報告書No. 20-4-6 
発行年月 : 令和3年3月



【研究活動概要 目次】

1.研究の背景と目的

2.研究方法

3.研究の結果


No.20-4-6 全文.pdf

No.20-4-6  英文 全文.pdf



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【調査研究の背景と目的】

 1990年8月、イラクがクウェートに侵攻し、湾岸戦争が勃発した際、再び石油ショックが起きるのかと世界中が戦争の動向を注視したが幸いなことに大きな混乱はなかった。その理由は、国際エネルギー機関(IEA)指揮の下、各国が備蓄している石油を放出したからである。わが国も民間備蓄から35万バレルを取り崩し市場に放出したが、これは日本全国の消費量の4日分に相当した。具体的には、1991年1月の湾岸戦争開戦にIEAは「協調的緊急時対応措置」(CERM)を発動し、加盟各国は、備蓄石油の放出や省エネ強化などに自発的に取り組み、250万BD相当の供給追加に務めた。わが国も石油備蓄法上の民間備蓄義務日数を3日間軽減することで協調した。こうした取り組みもあり、湾岸危機・戦争では、イラク、クウェートという二大産油国からの供給途絶により需給逼迫、油価高騰はあったものの大きな混乱は回避された。
 しかしながら、湾岸戦争勃発から20年近くを経た現在、当時の石油共同備蓄の放出の経緯及びわが国の政策決定プロセスに関する具体的な資料やデータは、当初は経済産業省に保管されているはずであったが、その後、紛失・散逸してしまっている。そのため当時の貴重な資料やデータについてクロニカルに整理できない状況が続いており、そのことは、わが国のエネルギー政策の過去、現在及び将来を考える上での大きな損失であると考えられる。
 そこで、本研究では、以上の状況を鑑み、散逸した資料、データを探索的に収集するための枠組みの検討、情報源の所在の確認などを目標として設定した上で、まずはクロノロジーの整理を行うことにより、貴重な資料やデータのさらなる散逸・喪失を回避し、今後のわが国のエネルギー政策、さらには産業政策への一助となる研究を目指すこととしている。