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過去の事例 詳細

アルミ合金容器の破損

【検討不足、経験不足による事例:しっかり検討、審査することが大切です!!】



スキューバダイビングが趣味の方は特に注意して読んでください。このような不具合で人命を失うこともあります。スクーバ、アクアラングは水中自動呼吸潜水器で、レジャー用に数多く使われています。スクーバ用アルミ合金製容器が空気充填終了直後に、突然破裂しました。調査の過程で、容器のねじ部に軸方向の亀裂があることが判明しました。原因は、粒界腐食(腐食性環境で金属の結晶粒界が選択的に腐食される現象)と応力腐食割れ(力学的負荷と化学的環境の同時作用により材料中に割れができる現象)であると推定されました。本事象は、複合的な要因で引き起こされたもので、材料の変更(A6351-T6からA6061-T6)、容器頭部の加工条件の変更、使用条件の確認等の対策を行いました。

後で気がつくことですが、事故は複合的にいくつかの原因が絡み合って起きることがほとんどです。設計段階で安全、信頼性設計を行い故障原因の推定と、それが複合的に絡み合った場合の検討を必ず行いましょう。後悔先に立たず!!

(出典:失敗知識データベース、http://www.sozogaku.com/fkd/)
図 破裂容器の破面図 破裂面の詳細