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過去の事例 詳細

車両サスペンション部品の疲労破壊

【検討不足、経験不足による事例:しっかり検討、審査することが大切です!!】



納期に追われ開発を急ぐ時、試作品と量産品で加工方法が異なる場合があります。加工方法の違いより生じる製品の強度の差を理解しないまま作業を進めていくと、あとで取り返しのつかない事態になるとことがあります。車両のサスペンション部品が、疲労破壊しました。試作時の疲労試験で、十分に疲労強度が確認されていました。試作品はレーザーカットで素材を切り抜いていましたが、量産品はプレスで打ち抜きました。プレス打ち抜き時に、シェアエッジ端に微視クラックが発生し、切り欠き効果で応力が集中し疲労破壊したと推定されました。プレス加工品は、平滑材に比べて疲労寿命が3割以上低下する場合もあるので、加工方法による強度低下分を考慮して設計することが必要です。

さらに経験者による設計結果のチェック、審査を行うことが必要です。 試作品と量産品、両者の加工方法の違いを考慮して先に進みましょう!!
(出典:失敗知識データベース、http://www.sozogaku.com/fkd/)
図 シェアエッジの疲労寿命の低下 図 試作品と量産品の加工方法の違い