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過去の事例 詳細

安全柵内への侵入

【管理不良,手順の不遵守,不注意による事例:しっかりマネージメントすることが大切です】



作業ロボットの稼動中、安全柵内に作業者が侵入しました。ロボットの周囲に、下図(上)のような安全柵を設置してありましたが、稼動中に作業者が安全柵内に侵入してしまい、危うく事故になりかけました。安全柵が下図(上)のような構造であったため、作業者が中間の横バーに足をかけて、安全柵内に侵入しました。対策として、下図(下)に示すように横バーを廃止しました。安全柵は容易に侵入できないようにするのが基本であります。

横バーに乗り越える機能があると気が付けば、本事例の対応は簡単であったでしょう。通常は、侵入検知センサや、背が高い追加柵を加えたりして、二重、三重の対応を行います。ただし、センサーは、コンセントの外れや断線などで機能しない場合があるので、センサーが効いてないことが判るシステムとすべきでしょう。
(出典:失敗知識データベース、http://www.sozogaku.com/fkd/)

設計のポイント:本事象に対しての安全対策に係わるJIS基準を以下に示します。

  • JIS B 9707:機械類の安全性-危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離
  • JIA B 9708:機械類の安全性-危険区域に下肢が到達することを防止するための安全距離
  • JIA B 9711:機械類の安全性-人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
  • JIS B 9704:機械類の安全性-電気的検知保護設備(光学保護装置)
  • JIA B 9713:機械類の安全性-機械類への常設接近手段(昇降機、はしご、さく等)
図 安全柵