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故障の影響解析(FMEA)と、故障の木解析(FTA)の活用 詳細

信頼性設計への適用例 −解析手順

FMEAは、設計の不完全な点を見出すために、装置に起こりえる故障モード(状態)を予測し、その不具合による装置への影響を解析する手法です。FMEAを信頼性設計に適用する場合には、故障・影響をキーワードに以下の点に留意を払うことが重要です。

FMEAを行う場合の留意点

ポイント1:もしこの製品に使用されている部品が故障したら
ポイント2:どんな故障が発生するか
ポイント3:この故障により製品がどんな影響を受けるか
ポイント4:この影響はどの程度
ポイント5:この影響をなくすためには、どんな予防対策を行えばよいか

この装置では、
どんな故障が発生するの?

次に、FMEAの具体的な進め方を以下に示します。

FMEAの進め方

(1)解析対象装置・機器の、機能・性能を確認

(2)解析対象装置・機器の、分解レベルを決定

(3)解析対象装置・機器の仕様と製造図面を基に、機能ブロック図を作成

(4)機能ブロック図から、信頼性ブロック図を作成

FMEAシートの手順(1)

(5)信頼性ブロック図を基に、各ブロック毎の故障モード(状態)を全て洗い出す

(6)洗い出した故障モード(状態)を、現実的な観点から整理・統合する

(7)整理・統合された故障モード(状態)の、推定原因を全て洗い出す

(8)上記の要約と「故障の影響」「影響度」「単一・致命的故障」「調べ方」
 「防ぐ方法」をFMEAシートに記入する

→ FMEAシートの手順(2)(3)

(9)設計変更等必要な場合に、FMEAシートの「防止対策処置の確認」を行う

→ FMEAシートの手順(4)
解析対象装置の
分解レベルは?

故障の状態に「温度が一定しない」を想定した、第2回で解説した電気アイロンの解析例を以下に示します。