機械振興賞　受賞者 業績概要詳細

　世界規模での環境保全意識の高まりの中、自動車生産における環境負荷物質の排出量削減は、非常に重要な課題である。塗装工場は、自動車工場の中でも多くの環境負荷物質を排出しており、塗料に含まれる揮発性有機溶剤（VOC）の削減や塗装ブースの空調、乾燥炉におけるエネルギー消費により発生するCO₂の削減が急務である。これに対して水性塗料に代表される従来の環境対応技術は、大幅なVOC削減は達成できるが、CO₂の増加やコストアップを伴うものであった。
　今回、VOCとCO₂を同時に削減できる環境に優しい新塗装技術を開発し、塗装工程の削減を達成し、2002年7月に実際の工場に導入した。これによりVOC排出量は欧州規制水準（35g/m²）以下を実現し、同時にCO₂を従来に比べ15％以上削減できた。この結果、塗装コストの削減と同時に、環境問題にも大きく貢献できることになった。