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機械振興賞 受賞者 業績概要詳細

イオン電流検出システムの低環境負荷型エンジンへの適用

企業名:ダイハツ工業株式会社
所在地:大阪府池田市
推薦団体:(社)日本自動車工業会

 既存の点火プラグに検出回路と判定機能を付加した低コストな火炎イオン電流検出システムを開発し、これを量販車に搭載して貴金属使用量の大幅な低減が可能な触媒早期活性化を実現し、平成16年8月、軽乗用車で初の平成17年低排出ガス認定(☆☆☆☆)を取得した。
 今回世界で初めて、燃焼のわずかな悪化状態をイオン電流を用いて検知し、点火時期を制御することで触媒を早期に活性化させる技術を実用化した。ガス温度を高温にし、その熱で触媒温度を早期に上昇させる早期活性化を目指した。しかし点火時期を過度に遅らせるとエンジンの燃焼が極端に悪化し、最悪エンジンストールするという現象が発生する。これを解決するために、燃焼時に発生するイオン電流をエンジンコンピュータで監視して燃焼悪化の度合いを判断、点火時期を制御してガス温度の高くなる燃焼悪化直前で運転するという全く新しい技術で対応した。この技術により貴重な資源である触媒の貴金属量を抑え、始動直後の排ガスを大幅に低減した。
 開発した火炎イオン電流検出システムは、コンパクト低コストな画期的な技術であり、今後さらに広い応用が期待出来る波及効果の高い技術である。