機械振興賞　受賞者 業績概要詳細

　自動車の変速機用歯車は、一般的には(1)ターニング→(2)ホブ切り→(3)歯端面取り→(4)シェービング→(5)浸炭→(6)内端研削という工程で製造されているが、上記の歯切り加工を不要とする精密鍛造によるヘリカルギヤの量産技術を開発した。
　本技術開発は、金型の歯形精度をワークに転写し、押圧力が開放された状態でワークと同じリードを持つエジェクターで回転上昇させ、これにより金型の歯形精度を保ったまま損なうことなく取り出すものである。その結果、高精度かつ高強度のヘリカルギヤが比較的安価に量産可能となった。
　また、歯車生産工場において従来の切削品を本開発品に置き換えることにより、高価な歯切り専用設備が不要となり、省スペースや省エネ、切粉、油煙、切削油の皆無化による工場環境の改善や環境負荷の低減においても革新的な変革を成し遂げることができる。