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「サービス・ロボット活用の展望-ウィズ・コロナの時代のなかで―」

第 428 回 STEP 研究会「サービス・ロボット活用の展望―ウィズ・コロナの時代のなかで―」のご報告
開催日時 令和 2 年 8 月 5 日(水) 14:00~15:30
場所 Web システムにより開催( CISCO Webex )
テーマ 「サービス・ロボット活用の展望-ウィズ・コロナの時代のなかで―」
講師 一般財団法人 機械振興協会 経済研究所  調査研究部 研究副主幹  森 直子 氏
内容  8月5日(水)にWebシステムにより一般財団法人機械振興協会経済研究所調査研究部研究副主幹 森直子を講師として、第428回STEP研究会「サービス・ロボット活用の展望―ウィズ・コロナの時代のなかで―」を開催致しました。当日は、全体で30名のオンラインによるご参加を頂きました。ご参加頂いた皆様には、厚く御礼申し上げます。また、今回の会の開催にあたっては、一般社団法人日本機械工業連合会様の後援を賜りました。重ねて御礼申し上げます。

【講演内容】
 本講演では初めに、人口減少・少子高齢化にともなう社会的課題解決にむけ、そして今般の新型コロナウイルスの世界的感染拡大による経済活動の停滞の対策としても大きな役割が期待されるサービス・ロボットについて、「手」と「足」という大胆な分類で状況を整理することを説明した。次に新型コロナウイルス禍前のサービス・ロボット市場の状況について、国際ロボット連盟(IFR)の統計をもとに、2018年時点で業務用サービス・ロボットの売上の4割が物流ロボット、家庭用・個人用ロボットの半分が掃除ロボットに占められていること、つまり第3次ロボット・ブームと言われる現在は、「足」の機能を代替するサービス・ロボットが主役であることが説明された。「手」の機能に関するサービス・ロボットは、大きな期待が寄せられているものの、技術面でも活用場面設定でも多くの問題があり、大きな市場形成には結びついておらず、そして期待ほどに「手」の機能代替ができないロボットに対して「不器用の谷」ともいえる需要の押下げ要因が発生している可能性を指摘した。また、各国で巨額のロボット開発投資を実現している軍産連携が不可能な日本においては、代わりとなるような大きな連携体制を組む必要があることも言及された。それに続き、リモート・非接触が必要なウィズ・コロナの時代においては、新型コロナ禍発生以前から市場形成に成功していた「足」系統のロボット、特に物流ロボットは、引き続き活用が進み、また注目度が上がっていたアバター・ロボットのなかでも遠隔操作ロボットの積極的な活用が進むのではないかという展望が示され、ウィズ・コロナの時代は少し先の未来を見据えて社会の幅広い参加者がサービス・ロボットの活用について考える好機であると指摘し、講演が締めくくられた。講演後は、介護現場などでの見守りロボット(「目」の代替)の展望、林業でのロボット活用の可能性、コンビニエンスストアにおけるシステムとしての店舗自動化と単体ロボット活用の関係性など、参加者との積極的な質疑応答が展開された。