研究会・イベントのご報告 詳細
「伝わりやすい文章の書き方」
| 主催:(一財)機械振興協会経済研究所 第491回機振協「新春 特別講演」ビジネスセミナー「伝わりやすい文章の書き方」開催報告 オンデマンド配信あり | |
|---|---|
| 開催日時 | 2026年1月20日(火)15:00~16:30 |
| 場所 | WEBシステムにより開催(Zoom) |
| テーマ | 「伝わりやすい文章の書き方」 |
| 講師 | 講師:一般財団法人日本経済研究所 コンサルティングフェロー 鍋山 徹 氏 モデレータ:(一財)機械振興協会 理事 兼 経済研究所所長代理 北嶋 守 |
| 内容 |
2026年1月20日(火)にWebシステムより、第491回機振協「新春 特別講演」ビジネスセミナー「伝わりやすい文章の書き方」を開催しました。講師は、一般財団法人日本経済研究所コンサルティングフェローの鍋山徹氏にお願いしました。なお、コメンテーターは、機械振興協会理事兼経済研究所所長代理の北嶋守が務めました。当日は、124名にオンラインでご参加いただきました。ご参加いただきました皆様に、厚く御礼申し上げます。【講演内容】本講演は、「伝わりやすい文章の書き方」をテーマに、文章を感覚ではなく構造として捉える「文章工学」の考え方を軸に展開された。本講演の冒頭では、文と文章は異なる概念であり、文章とは複数の文が論理的に組み合わされた構造体であると説明した。文章をエンジニアリング対象として捉えることで、伝わりやすい文章の作成が可能になるとし、文章構造を人体に例えながら、アブストラクト、イントロダクション、方法・結果・結論、ディスカッションという五要素の重要性を示した。 続いて、文章工学を学ぶことの意義として、自身が持つ知識が広められることや、業務の助けになること、自身と会社の名声が高まること、知識がより蓄積されること、副収入が得られることといった5つの報酬があることが紹介された。 また、文章を書く上で前提となる、日本語文章の3つの特徴について説明された。 第1に、欧米言語が文頭に結論を置くのに対し、日本語は文末に意味が集中する構造を持っている。そのため、文末表現が単調になると文章全体のリズムが失われ、読みにくくなる。文末に過去形が3回続く文章を書く場合には2回目の文末を現在形にするなど、文末に変化を持たせリズムを意識することが、文章を豊かにする。 第2に、日本語は言語情報だけでなく五感に依存する「以心伝心」や「阿うんの呼吸」の文化を背景に持っている。そのため、現代のビジネス環境、とりわけメールやリモートコミュニケーションでは誤解を生みやすい。 第3に、阿うんの呼吸から「主語が無い」ことが多いが指摘された。日本語の文章では、「は」が主語と話題提示(As for)の両方を担っていることがある。よって、日本語の曖昧さを踏まえ、主語を明確に書くことに注意が必要である。 第4に、複文構造の問題点として、一文中に複数の主語が存在すると理解が困難になることが具体例を用いて説明された。解決策として、主語と述語を近づけ、文を分割することで、読み手の理解度が上がる。 さらに、講演の中盤では、論理構成の技法としては、結論を頂点に据える「ピラミッド構造」、文字数を短くする「列車構造」、抽象と具体、肯定と否定を往復する「サンドイッチ構造」が紹介された。 先ず、ピラミッド構造では、最初に結論を考え、それを説明・補足する要素を整理して配置することで、話の脱線を防ぎ、読み手にとって理解しやすい構成となる。また、パラグラフ単位で小さな結論を積み上げていく考え方が、長文作成に有効であると説明された。 次に、列車構造に関しては、文章表現の面では、1文の文字数にも注意が必要であり、60文字を一つの目安として、それを超える場合は分割を検討すべきだとされた。また、文章が長くなると、文章の構造が複雑になるため、文法的な誤りが出てわかりにくくなる可能性も指摘した。 最後に、サンドイッチ構造においては、抽象と具体、肯定と否定などを往復する方法が有効であると示された。例えば、一番アピールしたい結論を抽象的な文章にした上で、その具体例を書き、もう1度と結論を工夫しながら記述すると読み手によってわかりやすい文章となるという。 講演の終盤では、ビジネスメールが一般的な文章とは異なる特性を持つ点について解説が行われ、簡潔な文章と箇条書きを基本とした構造で捉えるべきだと述べられた。具体的には、冒頭で結論を明示し、その後に理由や詳細情報を簡潔に示す構成が有効であるとされた。また、一文あたりの文字数を抑え、1行25文字程度で適切に改行し、2~5行を一つのブロックとすることで、読み手の負担を軽減できると説明された。特に、主語の省略は誤解を招きやすいため、メールでは主語を明確に記述すること、不要な敬語や前置きを削除し、情報の整理を優先することの重要性が強調された。 終わりに、文章力向上のための実践方法として、紙の本を読むこと、優れた文章に日常的に触れること、伝わりにくい文章を添削すること、情報を発信すること、生成AIとの対話を活用することが提案され、文章力は継続的な訓練によって確実に高められるスキルであると締めくくられた。 講演後は、活発な質疑応答が行われ、「また」「なお」といった接続語の使い分けや、ビジネスシーンにおける若い世代の絵文字使用の是非、電子媒体での読書時の注意点、英文メールのわかりやすい文章の書き方などについて議論がなされ、盛況裏に終了した。 ※解像度は画面右下の[360P]をクリックして高画質等にご調整ください。 このセミナーの資料はこちら↓からご覧になれます。 【セミナー資料①】 |















