ホーム > 協会について > 協会のお知らせ > 協会のお知らせ 詳細

協会のお知らせ 詳細

会長新年の挨拶

皆様 新年明けまして おめでとうございます。

 昨年春から発生した新型コロナウイルス(COVID-19)よるパンデミックは未だに終息する気配がなく、私たちの生活や経済活動に大きな影響を与え続けています。こうした中、現在も命がけで感染者の治療にあたっておられる医療従事者の皆様には、心から敬意と感謝を表します。
 この度のコロナ禍は、当協会の活動にも大きな影響を与えています。具体的には感染対策の一環として、各会議、研究会及びセミナーの殆どをオンラインで実施し、会議室受付窓口やBICライブラリ(専門図書館)などでは飛沫防止のためのアクリル板やビニールシートを設置したり、手洗い・消毒・換気の徹底、在宅勤務などに努めています。
 一方、この度のコロナ禍によって、世界中でICT(情報通信技術)の活用が一気に加速しています。テレワークやWEB会議などが普及し、私たちの社会生活は変容し始めています。このような現象を一言で表現するならば、それは、「集中から分散への移行」と言えるのでないでしょうか。
そして、その最も大きな変化として、都市から地方への移住を考える人が増えていることが挙げられます。新型コロナウイルス(COVID-19)は世界中で未だに多くの人々の命を奪い続けている存在です。しかし、一方で、この度のコロナ禍によって世界中でライフスタイルやビジネススタイルの見直しが起きていることは、コロナ禍がもたらした人類への警鐘と捉えることができます。
 例えば、日本の東京一極集中問題は長きにわたり議論されてきましたが、この度のコロナ禍は、地方分散を推し進めるきっかけを与えています。これは当協会が50年以上にわたりその発展の一翼を担ってきた機械産業にとっても無縁ではありません。優秀な人材が地方に移住したり、若者が地元に留まることは、少子高齢化に悩む地方の産業や中小企業にとっても大きな力となります。この度のコロナ禍がもたらした意識・価値・行動における変容の兆しを私たちは決して無駄にしてはいけないと思います。
さらに、こうしたコロナ禍を契機とする分散型社会の進展は、国連が提唱しているSDGs(持続可能な開発目標)の実現とも深く関係しています。そこで、当協会では、ウィズ・アフターコロナ時代のSDGsの実現の観点から、経済研究所と技術研究所の機能を活用しながら日本の機械産業に対して様々な支援・研究活動を実施して参ります。
 さて、今年の干支は「丑(牛)」ですが、世界初のワクチンである天然痘ワクチンが雌牛から取られたためにその名がつけられました。丑年の今年こそ、新型コロナウイルス(COVID-19)に効くワクチンが世界中の人々に速やかに普及し、皆様にとって「一陽来復の年」になりますことを願ってやみません。

一般財団法人 機械振興協会
会長  釡  和明