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調査研究報告書 詳細

工作機械産業の国際競争優位と相互イノベーション・メカニズム

報告書No. H9-8
発行年月 : 平成10年5月



Ⅰ 主要目次
第1章 調査研究の概要
第2章 国内及び世界の工作機械市場
第3章 工作機械企業の競争戦略
第4章 相互イノベーション・メカニズムの総合分析
第5章 相互イノベーション・メカニズムの個別分析
第6章 インプリケーション    
Ⅱ 概要
 現在、わが国の経済は非常に厳しい状況にあり、企業も明治維新以来といわれる大変革期を迎えている。しかし、そのなかでも、わが国機械関連企業は、絶えざる技術革新とグローバル志向の経営戦略により、国際的な競争力を維持し続けている。
 本調査研究は、1982年から今日までの16年間、わが国が他国を寄せつけない世界最高の生産国家として、君臨する工作機械産業を取り上げ、競争優位の持続性につき、これを解明することである。
 特に、工作機械企業のグローバルな競争行動と新製品開発プロセスにおけるメーカ、ユーザ、サプライヤが一体となって取り組むイノベーション・メカニズムの事実の解明と仮説の検証を行った。
 その結果、わが国工作機械産業の国際競争力は、2000年以降も持続されるものの、中級機市場の競争激化、海外メーカのキャッチ・アップなど油断できない要因も多分にはらんでいること。また、工作機械のイノベーション・メカニズムでは、メーカ&ユーザの重要性のみならず、大学、研究機関といった公的セクタが、製品開発プロセスにおけるごく初期の段階で重要な役割を果たしていることと、その後半の段階でも、機械系、電子系サプライヤの関与の度合いが次第と高まること。加えて、メーカ、ユーザ、サプライヤそして公的センタの良好な組織間関係の構築が、工作機械の成果に強く影響している点が明かになった。