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調査研究報告書 詳細

機械産業における雇用システムの新展開

報告書No. H7−4
発行年月 : 平成8年5月



Ⅰ 主要目次
序 章 本報告書の問題意識と構成
総 論  
第一章 機械産業における雇用システムの展開方向
 各論1 機械産業の現状と雇用システム
第二章 機械産業の構造変化と雇用システムの展開
第三章 中小機械企業の現状と雇用システムの展開
各論2 職業能力開発と雇用システム
第四章 職業能力開発事業と雇用システムの展開
第五章 個人主導の能力開発と雇用システムの展開
終 章 若干のまとめと残された論点
提 言   
付録 1 「人材の流動化と日本的雇用システムの展開と課題に関するアンケート調査」票
「人材の流動化と日本的雇用システムの展開と課題に関するアンケート調査」結果    
Ⅱ 概  要
 近年、我が国では雇用システムをめぐる議論が活発化している。そうした議論においては、一般的に従来の「日本的雇用システム」の主柱をなす「長期雇用制度」と「年功賃金制度」を見直し、「人材の流動化」と「能力主義」とを徹底させるべきであることが強く主張されている。他方、我が国機械産業の競争力を支えたのは製造現場従業員の優秀さであり、「長期雇用制度」「年功賃金制度」といった「日本的雇用システム」はその源となるものであるから、少なくともそうした従業員層については、従来の雇用システムを安易に見直すべきではないとの見解も有力である。
 本報告書は近年のこうした議論を念頭におき、機械産業製造現場従業員に対する雇用システムを明確にし、その将来展望を提起することを目的に調査研究を行って取りまとめたものである。総論ではアンケート調査結果に基づき、雇用システムの現状と将来展望について全体的な考察を行った後、各論1では「産業的見地」から、各論2では「職業能力開発の見地」から雇用システムについての分析を行った。その結果、1.機械産業製造現場従業員に関する限り、「日本的雇用システム」は能力主義的人事管理の制度的産物であること 2.機械産業の現状から考えて、ますますその「能力主義」的性格を明確にする形で展開していくであろうこと 3.「日本的雇用システム」はそのためのメカニズムを内部に組み込んでおり、それは長期雇用制度とともに発展展開した内部労働市場、中間労働市場の機能の積極的活用であるということを明確にした。