調査研究報告書 詳細

【主要目次】

１．調査の概要

２．中小企業のリスク管理に関する論点整理

３．リスク管理に関する企業の取り組みの事例

４．企業の安定的経営とリスク管理に関する意識と取り組みに関するアンケート調査

５．リスク管理と企業経営に関する企業ヒアリング調査

６．地域の支援体制のあり方の事例

７．提言

【概要】　

　 全社を挙げたリスク管理に注目し、アンケート、ヒアリングにより、企業に求められるリスク管理のあり方と、地域からの支援のあり方について研究を行った。
　 アンケートからは、企業が現在取り組んでいるリスク管理の項目に関して、労働災害など基礎的な項目が挙げられた。リスク管理と企業の無形財産との関係に注目すると､リスク管理に取り組んでいる企業は平素から無形財産の管理に取り組んでいる傾向がみられ、リスク管理・無形財産の管理にともに取り組んでいる企業は業績も良いという傾向がみられた。
　 企業へのヒアリングからは、各者個別のリスク対策以外に「リスクに強い企業」の体制を構築するための努力も行われていた。
　 アンケートの地域差の分析では、企業が取り組むリスク対策には顕著な地域差がみられ、地域で企業のリスク管理を支援するに際しても、地域差への配慮が極めて重要という結果が浮き彫りとなった。地域からの支援の実態について事例調査を行った結果、地域企業が取り組むリスク対策に合致する支援が行われている地域もあったが、産業集積がなされていない地域では、支援のユニークな事例がみられず、これら地域の企業のリスク管理を支援する仕組みが課題として浮かび上がった。
　 最終章では、まとめとして､リスク管理に関連して、企業で取り組むべきことがらと地域等で取り組むべきことがらに分けて、主体ごとに求められる役割を整理した。