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調査研究報告書 詳細

機械産業の構造変化と主要生産品目の動向把握に関する調査研究

報告書No. H16-1-1A
発行年月 : 平成17年3月


社団法人 日本経済研究センター

Ⅰ 主要目次

 第1章 日本企業のグローバル化と東アジアにおける国際的な生産・流通ネットワークの発展
  1 東アジア貿易における機械部品貿易の拡大
  2 日本企業の海外進出パターンと企業活動のグローバル化
  3 日本の海外子会社のパフォーマンスと国際的な生産ネットワークの発展
  4 日本企業のグローバル化と企業の存続・退出パターン
  5 総括
 第2章 研究開発のスピルオーバーが生産性に及ぼす影響
  1 基本モデル  2 データ、変数の計測法、および回帰式の特定化について
  3 結果     4 先行研究との比較   5 結論
 第3章 製造業における雇用・生産性変化と事業所動態 -- 工業統計パネルデータに基づく実証研究
  1 90年以降の事業所数減少と雇用調整・生産性の停滞
  2 パネルデータベースの構築
  3 事業所動態が雇用ならびに生産性に及ぼす効果
  4 結論
 第4章 民生用電気・電子機械における工程別の海外生産シフト
  -- アンケートおよびヒアリング分析結果
  1 調査品目の生産動向           2 完成品生産の海外シフト
  3 海外生産シフト先の国・地域とその目的  4 国際間工程分業
  5 国内生産拠点の役割           6 生産方式の変化
 第5章 まとめ

Ⅱ 概要 

 機械産業で海外生産シフトが進んでいる。海外展開する業種が増えると同時に、シフト先はASEAN諸国から中国へと広がりをみせている。その背景には日本企業の国際分業体制が急速に高度化と複雑化を進めていることが指摘されているが、既存統計ではその実態はとらえきれていない。本研究では民生用電子・電機機器を中心とした電子機械に焦点を絞り、独自のアンケート調査、企業へのヒアリング調査などにより、海外生産など企業活動のグローバル化の実態とグローバル化が国内の機械産業をはじめとした製造業へ与える影響を分析した。

 その結果、日本企業が地域別、工程別に複雑な国際間生産ネットワークを構築している実態をとらえることができた。さらに①東アジアでは国際取り引きの内容において機械製品の比重が急増しており、その大半が部品など中間投入財であること、②国際的な技術スピルオーバーは貿易と外資による対日直接投資を通じて国内企業の生産性を向上させていることなどを明らかにすることができた。