ホーム > 経済研究所 > 報告書・その他刊行物 > 調査研究報告書 年度一覧 > 調査研究報告書 年度別一覧 > 調査研究報告書 詳細

調査研究報告書 詳細

ものづくり基盤産業を支える産業集積の実態調査研究

報告書No. H13委-19
発行年月 : 平成14年4月


株式会社 富士総合研究所

Ⅰ 主要目次
第1章 全国主要産業集積地区の動向
1. 一般機械器具製造業  2.輸送用機械器具製造業  3.電気機械器具製造業  4.精密機械器具製造業
第2章 集積の捉え方と本調査の調査対象地域
第3章 多様な革新の芽が膨らむ諏訪地域
1. 域外取引への取り組み  2. 海外展開への取り組み 3. 域内水平ネットワーク構築への取り組み 4. 新規創業への取り組み  5. 諏訪地域からみる地域産業集積の課題
第4章 優位性のなかにも新たな展開が求められる北上・花巻地域
1. 産業集積の形成に至るまでの経緯と特徴
2. 業集積の現況を取り巻く経営環境
3. 環境変化に対する北上・花巻地域における取り組み
4. 北上・花巻地域の今後の課題
第5章 不退転の構造変革に向かう本荘由利地域
第6章 産業集積の変革と中小企業の新展開がみられる日立地域
1. 日立地域の生産ピラミッド構造の特徴と課題
2. 産業集積構造の変革と中小企業の新たな展開
3. 産業集積構造変革のための課題
第7章 世界のテクノポリスに挑む城南地域(東京都大田区)
1. 大田区産業集積の問題点 2. 大田区でみられる近年の取り組み 3. 今後の課題
第8章 グローバル化のなかで生き残りを模索する広島地域
1. 広島県における自動車関連産業の地位と動向
2. 広島県内自動車部品メーカーの動向
3. マツダの生産動向と部品調達戦略
4. MC-FSS導入が部品メーカーに与える影響
5. 広島地域における企業の取り組みと行政支援の現状
6. 産業集積地域の課題
第9章 今後の産業集積のあり方と課題
Ⅱ 概要
 本調査は、国内の代表的な産業集積を対象に親企業の海外生産シフト等による国内生産の縮小、工場閉鎖が産業集積や地域企業に与える影響(空洞化)についてみた。また、そのなかで新たにみられる地域・企業の取り組みについて現地調査しながら把握し事例として提示、これらをもとに集積地域の課題として整理した。
 調査対象地域は6地域(諏訪、北上・花巻、本荘由利、日立、大田、広島)としたが、空洞化の影響は空洞化に直面した時期、産業 集積のタイプ、特定親企業の有無・業種等によって異なる。例えば、早くから、その危機に瀕した諏訪地域では海外展開や域外取引等を進めるなどの対応力をみせている。
 そうした意味からすると、集積の持つ役割として従来言われた「分業間調整コストの低さ」等はグローバル化、IT化等、地域・企業を取り巻く環境が変わるなかで変質している。但し、これには業種や工程などによって違いがあることに留意が必要である。このように集積の持つ意味合いが地域によって異なり、課題も異なってくるなか、全国一律的な支援施策はもはや限界で地域の実状に応じたオーダー・メイドの支援施策が必要である。