ホーム > 経済研究所 > 報告書・その他刊行物 > 調査研究報告書 年度一覧 > 調査研究報告書 年度別一覧 > 調査研究報告書 詳細

調査研究報告書 詳細

像情報技術の現状と展望―機械輸出の構造変化に対応した技術集積の変化と展望―

報告書No. H16-4
発行年月 : 平成17年3月



Ⅰ 主要目次

  はじめに
 第1章 像情報技術とは
 第2章 像情報技術の現在
  1.像情報産業と貿易の変化
  2.像情報技術の形成
  3.像情報産業の競争力構造
 第3章 これからの展望
  1.像情報技術の展望
  2.像情報産業の展望
  3.像情報工学の展望
 第4章 教訓と今後の課題
  1.国際的な競争と協調の時代へ
  2.米国のITと日本のIT─わが国におけるものづくりの意義
  3.ものづくり産業政策への示唆
  4.ものづくり経営への示唆

Ⅱ 概要 

 本調査研究は、わが国のものづくり産業がどのような分野で比較優位であるかを技術的な観点を中心に分析し、そうした技術的比較優位の形成過程を明らかにすることによって、わが国におけるものづくり産業の維持・発展にとって有用な知見を得るために実施したものである。方法としては、(1)貿易統計から輸出競争力のある製品を把握し、その技術的な特徴を分析する、(2)そこで観察されるような技術的な比較優位が形成された過程を分析する、(3)技術的な比較優位を維持するための課題を検討する、(4)今後のものづくり産業振興策や企業経営への示唆を整理するという手順を取っており、その結果、これまでの産業研究になかったまったく新しい産業概念や、その生成・発展過程に関する知識、さらに、ものづくり一般への有用な示唆を得ることができた。

 具体的には、まず、わが国の比較優位産業の一つとして「像情報産業」と名付けることのできるカテゴリーがあること、その裏付けとなる「像情報技術」の集積は、世界に例のない「像情報工学」という技術コンセプトの下での産(官)学連携や企業間の競争と協調によって形成されたことを明らかにした。像情報産業は、世界でも希有な高度部材産業集積や日本にしかない総合印刷業の存在、同じく日本だけにみられる総合像情報機器メーカーの存在といった特徴を備えており、それらは像情報工学や産(官)学連携の所産として説明できるが、その仕組みに課題が発生していることも示している。

 像情報産業の研究からは、行政のあり方や大学の役割、あるいは産官学連携や企業間の競争と協調、さらに競争力のある企業の経営戦略など、極めて多くの示唆が得られるが、その一部を政策と企業への提言としてまとめている。


概要版(pdf)