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機械振興賞 受賞者 業績概要詳細

油圧配管継手の製造方法における技術革新

企業名:トキワ精機株式会社
所在地:東京都大田区
推薦団体:(財)大田区産業振興協会

 産業空洞化が急速に進行しつつある現在、油圧配管用継手の生産についても東アジアの進出は目覚しく、日本の国際競争力は低下の一途を辿っている。油圧配管用継手の生産方式は、従来、丸鋼を素材として、鍛造によりエルボを成形、両端より所定の内径に穿孔、交差部のバリ取り、外径ねじ切りという多工程を要するもので、(1)鍛造素材を用いる関係で、材料の歩留まりが悪い、(2)鍛造工場から機械加工工場までの運送費を要する、(3)両端からの内径穿孔のコストが高い、(4)内径公差部にバリが生じ、除去のための余分なコストが掛かる等以下の問題を含むものである。
 本技術は、油圧継手市場にも外国製の廉価な製品が出回り始め、危機感を抱いた当該企業がその存続をかけて研究開発したものである。
 従来、エルボ(高圧油圧配管用)の製法は鍛造又は材料取りした素材から穴をあけ削りだす方法か、2体物の溶接構成以外にはなかったが、当該企業は、研究を重ねた結果、厚肉パイプを原素材として、90°までの角度付配管継手の製品素材を製作する独自の技術を開発した。この技術により大幅な工数低減や歩留率の向上などが実現した。