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ご挨拶

 平成29年10月から、機械振興協会 副会長 兼技術研究所長として就任しました後藤芳一でございます。

 当技術研究所は、ものづくり企業の支援を使命として、研究開発、製造、販売、保守などの各段階で、ものづくり企業に寄り添うサービスを提供しております。

 ものづくり産業はいま、人手不足、需給のグローバル化などに加えて、IoT/AIの活用を通じた生産技術/モノやサービス/社会の変化に直面しています。同時に、社会的存在として経済社会に寄与することも求められています。こうした経営環境のもと、ものづくり産業には自らの課題に対処するとともに、他の多くの分野の課題に解決策を提供する役割が期待されています。

 この状況を踏まえ、技術研究所は、第1に、機械産業自体の振興と課題への対応、第2に、他の分野の課題解決を通じた機械産業の発展、第3に、機械産業が社会的存在として寄与することをめざしています。

 第1は、ものづくりの優れた技術を振興し、基盤技術を支える取組みです。従来からの生産技術や工作機械などの技術の蓄積を活かし、工作機械の位置決め精度検査、長さ標準(標準尺)の校正、安全コンサルティングなどものづくりの基盤を支える業務(受託検査等)、新機械振興賞(経済産業大臣賞ほか)の運営、企業の営業や開発拠点としてご利用頂けるものづくり支援スペースの提供(貸しスペース)を行っています。

 第2は、生産管理や設備技術を活用した付加価値の高い、いわゆるIoT農業への取組みです。成果は、最大手の葉物野菜の事業者に活用されています。当研究所が主宰する「コンシューマアグリ研究会」は、生産者自身が参加するという特徴が注目され、農林水産省ほか関係機関とネットワークが広がっています。

 第3は、3Dプリンタの障害者就労や福祉用具提供への活用です。自動車部品等の企業から仕事を提供いただき、技術研究所は3Dプリンタとそれを用いた加工技術を提供し、地元の障害者作業所の当事者が仕上げを行っています。

 これらの取組みは、周囲のニーズに対応して分野を構築したものです。農業(上の第2)は、当協会の経済研究所からの紹介を元に生産者の参加を広げており、障害者就労(同第3)は、地元東久留米市からの期待を受けて3Dの活用を考えました。技術研究所では、今後もこうした取組みを進めたく思います。

 前職である東京大学工学部での経験も生かし、産学官を始めとしたイノベーションのお手伝い役をめざす当技術研究所のご利用をお願いして、就任のご挨拶とさせていただきます。

平成29年10月

一般財団法人 機械振興協会 副会長
技術研究所長 工学博士
後藤 芳一