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機械産業新事業創出支援事業

概要

第四次産業革命ともいわれる社会の変化が進んでおり、モノ作り産業には新たな対応が求められている。その一端は、①社会ニーズの変化(環境、ヘルスケア対応)、②取引や需給の変化(IoT、サイバー化)、③生活や消費の変化(シェア・エコノミー、コト消費)、それらに対応して、④事業モデルの変化(モノからコト)、⑤モノ自体の変化(自動車や航空機の新エネ化、モバイル化)などが生じている。 機械産業には、社会ニーズを機能や形に翻訳して新製品やサービスを開発し、事業モデルに展開する力が求められ(加工組立)、伝統的なQCD(品質・コスト・納期)対応の先の構想力が問われている(中小部材)。
こうした状況のもとで、機械産業が社会の課題に対応しつつ新しい事業機会を創る方向として2つ考えられる。第1は、機械技術や製品を起点に、付加的サービス(例:予防診断)する方法である(モノ→コト→社会要請)。伝統的なモノ作り分野では、IoT対応等の必要性から、多くの課題が残されている(Ⅰ型)。
第2は、社会的課題を解くためのシステム開発(例:農業のスマート化)である。課題を形や機能に翻訳して、それを機械技術で解くことが求められる(社会要請→コト→モノ、Ⅱ型)。
こうした対応に共通する要素の1つとしてデータが注目される(ビッグデータ、AI)。データを支配/活用することが競争力に直結する。モノ作り企業がデータに関わるには、優れたプロセスのデータ化等とともに、センサの活用がある。技術研究所はORiN(Open Resource interface for the Network)の開発と活用で機械とネットワークの接続、データ活用の技術を蓄積してきており、農業分野では生産管理ソフトとして有効性を実証しつつある。
これらの背景から、本事業では、中小製造業の商品開発力向上を目的とした事業を実施しています。


(1)商品開発のための枠組みの研究

商品の開発実績がある企業の調査結果などから,商品開発のための要件を抽出して一般化を試みる研究をしています。


(2)モノコト(Ⅰ型)対応製品の研究

自社製品を有し、モノとしての製品販売になりがちな中堅中小製造業に対し、例えば顧客納品後の製品の消耗品寿命を遠隔から検知して、故障を起す前に保守サービスの実施を可能とするための遠隔保守システムを開発する。本システムは、安価なセンサとORiNなどを活用することで、中堅中小製造業でも導入が容易な仕組みを目指す。本遠隔保守システムの開発により、中堅中小製造業のモノである製品単体のビジネスから、保守サービスによる顧客のコトとしての安定稼動を提供するビジネスに展開するための一要素を提案する。


(3)コトモノ(Ⅱ型)対応試作の研究

これまでに世の中に無いコトを実現するモノを創造する開発である。具体的には、数百棟におよぶ大規模な土耕栽培による葉菜栽培向けに、これまで作業者が直接圃場を見回ることで確認していた葉菜の生育状況をデータ管理するための遠隔監視システムを開発する。本システムでは、圃場にWebカメラを設置し、葉菜の生育丈の測定に特化するなど、機能限定することで、シンプルかつ安価に遠隔監視するための技術を開発する。具体的には、葉菜そのものを画像認識するのではなく、葉菜の生育と共に隠れていくように設置したスケールを画像処理することで、単純化した計測の方式を開発する。本方式の開発により、これまでに世の中に無いコトを実現するモノの一例としての遠隔監視システムを提案する。


実用化・活動

関連項目

お問い合せ先

    担当部署:技術開発センター
    担当者:木村 利明
    TEL:042-475-1188
    FAX:042-474-1980
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